都内某所で、受験票紛失事件発生!
え?いえ違いますよ山さん、大学受験じゃありません。この時期じゃ大学受験なんてもうほとんど終わってるんじゃないですか?
某外国語の
検定試験の受験票が行方不明になったとの被害届がありまして。
最近は個人のスキルアップとかでイロイロな検定試験があるそうですからねー。エステティシャンやネイルアーティストに始まって、乗馬や野菜ソムリエ、紅茶コーディネーターなんてのもあるそうですよ。一体なんの役に立つんでしょうねえ?僕にはまったく…え、そんな雑学はどうでもいいからさっさと事件の詳細を言え?失礼しました!
ええと、被害者は会社員のS氏です。
S氏の証言によると、試験の主催団体へ受験料を振り込み、その証明書と顔写真を貼付した
書類を送付したのに、受験票が手元に届かないんだそうです。
被害総額は約1万円だそうです。
しかもS氏は、この試験に向けて遊ぶ間も惜しんで必死に勉強をしていたそうですから、それが全部パアですよ。お気の毒ですよねー。いっそ民事訴訟のひとつも起こしたらいいんじゃないですかー?俺の時間を返せーって。
どうせタチの悪い悪徳商法か何かに引っかかったんじゃないかって?
いやあ僕も一瞬そう思いましたけど、どうやら違うみたいなんですよ。一応ソコはちゃんとした団体で、その試験もポピュラーなものらしいんです。
不審に思ったS氏が直接その団体へ連絡したところ、
金が振り込まれているのは確認したけれど、書類が届いていないって言うんですよ。
ちなみに振込みはS氏が郵便局で行い、問題の書類は証明書と一緒にその場で郵便局員に封筒ごと手渡して、郵送してもらったそうです。
そうなんです、恐らくは
郵便事故か、その
団体の内部で紛失したかのどちらかだとは思うんですけど。ただ、
イロイロと細かい問題がありまして…。
え、もったいぶらずにとっとと話せ?まあまあそう急かさないでくださいよ。
まず、
受験申し込みの手続き方法なんですけど。
最初に受験するための書類を取り寄せます。
同封の振込用紙を使って受験料を振り込んで、書類に必要事項を記入して、更に顔写真を貼付して、同封の返信用封筒――ホラよく見かける料金受取人払いで切手不要のアレですよ――を使って郵送するんです。
まあ大抵の資格試験はこのパターンなんでしょうけど、ここに問題があるんです。
どこにって?分かりませんか。
「返信用封筒」ですよ。
アレはあくまで「料金受取人払い」なだけであって、
普通郵便なんです。
我々が親しい人にハガキや手紙を送るのと同じ扱いなんですよ。
それのナニが悪いのか、って顔してますね。
確かに普通に配達される分には問題ありませんけどね、今回のS氏のように、
郵便事故があった場合の補償は全くないんです。
ふふ、山さんにも分かりました?
補償がないってことは、
万が一破損・紛失した場合も郵便局の責任じゃないんです。
補償を受けるには、
書留や配達証明郵便を使わなければならないんですよ。
ですから、S氏は責任をどこに追及すれば良いのか分からずに困っている、という次第でして。
しかも普通郵便っていうのは、
個々の配達記録が残らないんです。
回収した郵便物に消印を押して、宛先ごとに仕分けて送付先の局へ送って、そこから更に番地ごとに仕分けて配達する、ってだけなので。
大きな郵便局だとオートメーション化されている所もあるそうですが、小さな局は未だに手作業でしょうし、個々の
郵便物にIDを付けて管理しているという事はないんです。
最近のDMにはバーコードみたいな印がついてるの知ってます?最近の年賀状ソフトでもつけられるので、僕が今年山さんに出した年賀状にもついてますよ。
アレは機械で住所を読み取るだけのモノで、郵便番号と大差ありません。個々の識別に使っているワケじゃありませんからね。
じゃあどうやって郵便事故の確認をするかって?
う~ん、僕もそこまでは…。推測ですが、郵便物が投函された日時から担当者や回収車などについて、順を追って確認するんじゃないですか?
人力で。
気が遠くなる作業でしょ?実際S氏も、郵便局に問い合わせた時に
「確認に1ヶ月くらいかかるかもしれない」って言われたそうです。
このスピード化社会にありえないでしょ?試験終わっちゃいますよ。
そもそも、人から金取っておきながら
「失くしたり壊しても責任持ちませんよ」っていう郵便局の態度もどうかと思いませんか?
たとえ個人的な手紙であっても、その人たちにとっては大切なモノでしょ?
ちょっとくらい料金が高くなってもいいから、すべての郵便物は補償されるのがスジだと思うんですけどねー。
これだからお役所は、って非難されるんですよまったく。
あ、そういえば民営化されたんでしたっけ?一般企業で同じこと言ってたら、信用なくしてソッコーで
倒産しちゃいますよねー。
第一、資格取得っていうのは、場合によっては運命を左右しかねないですからね。
本来なら、返信用封筒は書留や配達証明郵便で郵送するようにしなければならないんですよ。その辺の指示も何もないこの団体も職務怠慢ですよねー。
それどころか、
振込みがあって書類が届かなかった人がいても、確認を取ることすらしないそうですよ。
本人から問い合わせなかったら?そりゃ振り込まれた受験料はそのままその団体の懐に入るんじゃないですか?でもそれって詐欺ですよねー。
おまけに同じようなトラブルが少なくとも10件くらいはある、と担当者も認めているあたり、僕ら一般人との感覚がズレまくってますよ。
そこまで分かっていて何で確認取らないんでしょうか。
ソコの振込み確認もやっぱり
人力のようですよ。
S氏の場合は、残念ながら問い合わせた時期が遅かったため、もし書類が見つかっても今回の受験はできないそうです。
そうなんですよ、事故であろうと特別措置も何もないみたいです。振り込んだ事実はあるし、振込み依頼者がS氏であることは履歴が残っているんだから、何とか対処のしようがあるとは僕も思うんですけど…。
唯一の救いは、受験料が返却されるってコトでしょうか?
ヤケ酒でぱーっと消えちゃいそうですけどねー。
余談ですけど、受験要綱に、書類提出期限を
「○日消印有効」と載せておきながら、実は料金着払いの
返信用封筒を使うと消印が押されないという罠もありまして。それを指摘すると「え、あ、えっとそれは
ポストに投函した日で…」と曖昧でビミョーな返答があったそうです。アフォですよねー。
あ、ちなみにこの団体も
財団法人ですよ。
残業もないようですし、所詮はお役所仕事ってヤツですかねー。って僕らが言えた義理じゃないですけど。
文○省あたりから天下ってるんじゃないですか?
それにしても、この団体も郵便局も、どちらもコンピュータでしっかり管理されていないってトコロが共通してると思いませんか?
なんかお役所系のおじさんたちの仕事っぷりが目に浮かびますよねー。
ワープロや表計算ソフトどころかメールも満足に読めなくて、パソコン使う仕事はぜんぶ若い部下任せでー。
えっ、あ、いやそんな、山さんのことじゃありませんよ!
そりゃ確かに僕が山さんのメール代筆してますし、始末書のパソコン入力も僕がやってますけど…うわ落ち着いてくださいってばさすがに拳銃はヤバイですよ山さん!!
僕を殺したら、誰がアナタの始末書をパソコン入力するんですかぁっっっ!!!