カテゴリ:小咄( 7 )

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デカ長!事件経過です!

山さん、先日の受験票紛失事件、覚えてますか?
え、記憶にない?ひどいなあ、僕に拳銃突きつけたりしたくせに。
あの時の報告書読んでくださいよ。


思い出しました?そうです、郵便局にしろ某団体にしろ、いまだに機械化されずに人力に頼ってるって話ですよ。天下ったおじさん連中はきっとパソコンが使え…や、山さん!だから拳銃に手を伸ばすのはやめてくださいってば!!まったくもう、いいかげんそのパソ・コン何とかしてくださいよー。
いえ"パソコン"じゃなくて"パソ・コン"です。"パソコン・コンプレックス"の略で…うわあああごめんなさいもう言いません!!言いませんから僕に照準合わせないでくださいってばあ!!!
とととにかく、その後事件に進展があったと被害者のS氏から連絡があったんですよ!

はい、書類自体はまだ見つかっていないんですけどね、団体側の取り計らいで、書類をFAXすれば受験できることになったそうです。ま、当然ですよねー。
S氏が電話でかなりねばったらしいですから、それが実ったんでしょうね。でもきっとあの団体内部じゃ悪い意味で「伝説の男」扱いされてるんじゃないですか?
「しつこい男は嫌われる」って言いますからねー。

でも最初に電話した時にはダメの一点張りだったクセに、後になってOK出すなんてヤツら臭いませんか?
案外、例の書類が団体内で見つかったんじゃないでしょうか?
ホラよく机の隙間や引き出しの裏側からモノ落っことす人いるじゃないですか。え、ああ僕も似たような事やりましたっけ。そういえば山さんだってやってたじゃないですか。まあよくある話ですよ!
で、今更コッチで見つかったとも言いづらくて「トクベツに認めましょう」的な態度を取って誤魔化してるという可能性はありますよね。クサいですよ。
山さんがヤツらの調書を取ればすぐ落ちますよきっと!

ちなみに郵便局での書類捜索は継続中です。団体内部紛失説には残念ながら確証がありませんので。ガサ入れすれば絶対証拠掴めると思うんですけどねー。
それはそうと、郵便局の人力捜索が一体いつ終わるのか、けっこう見モノだと思いません?僕は3週間くらいはかかると思うなあ。山さんカケます?

配達担当者が某国のコトが嫌いで、この団体宛ての郵送物を配達しなかったという可能性もありますよねー。
年始になると、年賀状の量が多くて配達がめんどくさいとか意味不明なことを言って、郵送物を隠匿したり遺棄したりするしょーもないバイト君がいるじゃないですか。
アレも納得いきませんよねー。そう思うなら最初からバイトに応募しなきゃいいのに、って僕いつも思うんですよ。
そういういいかげんな配達担当者が本ボシかもしれませんよー。


ちなみにS氏は、今回これだけの大騒動になってしまったもんですから、落ちるワケにはいかない!って頑張って勉強してるみたいです。彼にとっては却って良かったんじゃないですか?
もっとも、彼と同じ職場のおねーさんは、先に英語を勉強してほしいっていうのが正直なところだそうですけど。ハハハ。


え、僕ですか?僕も英語ダメですねー。ジャパニーズイングリッシュ聞き慣れちゃったせいか、ネイティヴな人がナニ言ってるか全然わかんなくって。新宿渋谷六本木あたりの交番勤務に回されたらきっと出勤拒否症になっちゃいますよー。
どうせ山さんもダメでしょ英語。



え、山さんって人事部長と同期なんですか!?
うわチョット待って勘弁してください!僕がいつ通訳担当になりたいなんて言ったんですかぁ!?謝ります!謝りますから!!だからそれだけはヤメテ山さん~~~!!!
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  by RX-Kei | 2006-03-24 01:16 | 小咄 | TOP▲

デカ長!事件です!

都内某所で、受験票紛失事件発生!


え?いえ違いますよ山さん、大学受験じゃありません。この時期じゃ大学受験なんてもうほとんど終わってるんじゃないですか?
某外国語の検定試験の受験票が行方不明になったとの被害届がありまして。
最近は個人のスキルアップとかでイロイロな検定試験があるそうですからねー。エステティシャンやネイルアーティストに始まって、乗馬や野菜ソムリエ、紅茶コーディネーターなんてのもあるそうですよ。一体なんの役に立つんでしょうねえ?僕にはまったく…え、そんな雑学はどうでもいいからさっさと事件の詳細を言え?失礼しました!

ええと、被害者は会社員のS氏です。
S氏の証言によると、試験の主催団体へ受験料を振り込み、その証明書と顔写真を貼付した書類を送付したのに、受験票が手元に届かないんだそうです。
被害総額は約1万円だそうです。
しかもS氏は、この試験に向けて遊ぶ間も惜しんで必死に勉強をしていたそうですから、それが全部パアですよ。お気の毒ですよねー。いっそ民事訴訟のひとつも起こしたらいいんじゃないですかー?俺の時間を返せーって。


どうせタチの悪い悪徳商法か何かに引っかかったんじゃないかって?
いやあ僕も一瞬そう思いましたけど、どうやら違うみたいなんですよ。一応ソコはちゃんとした団体で、その試験もポピュラーなものらしいんです。

不審に思ったS氏が直接その団体へ連絡したところ、金が振り込まれているのは確認したけれど、書類が届いていないって言うんですよ。
ちなみに振込みはS氏が郵便局で行い、問題の書類は証明書と一緒にその場で郵便局員に封筒ごと手渡して、郵送してもらったそうです。
そうなんです、恐らくは郵便事故か、その団体の内部で紛失したかのどちらかだとは思うんですけど。ただ、イロイロと細かい問題がありまして…。
え、もったいぶらずにとっとと話せ?まあまあそう急かさないでくださいよ。


まず、受験申し込みの手続き方法なんですけど。
最初に受験するための書類を取り寄せます。
同封の振込用紙を使って受験料を振り込んで、書類に必要事項を記入して、更に顔写真を貼付して、同封の返信用封筒――ホラよく見かける料金受取人払いで切手不要のアレですよ――を使って郵送するんです。
まあ大抵の資格試験はこのパターンなんでしょうけど、ここに問題があるんです。

どこにって?分かりませんか。
「返信用封筒」ですよ。
アレはあくまで「料金受取人払い」なだけであって、普通郵便なんです。
我々が親しい人にハガキや手紙を送るのと同じ扱いなんですよ。
それのナニが悪いのか、って顔してますね。
確かに普通に配達される分には問題ありませんけどね、今回のS氏のように、郵便事故があった場合の補償は全くないんです。


ふふ、山さんにも分かりました?
補償がないってことは、万が一破損・紛失した場合も郵便局の責任じゃないんです。
補償を受けるには、書留や配達証明郵便を使わなければならないんですよ。
ですから、S氏は責任をどこに追及すれば良いのか分からずに困っている、という次第でして。

しかも普通郵便っていうのは、個々の配達記録が残らないんです。
回収した郵便物に消印を押して、宛先ごとに仕分けて送付先の局へ送って、そこから更に番地ごとに仕分けて配達する、ってだけなので。
大きな郵便局だとオートメーション化されている所もあるそうですが、小さな局は未だに手作業でしょうし、個々の郵便物にIDを付けて管理しているという事はないんです。
最近のDMにはバーコードみたいな印がついてるの知ってます?最近の年賀状ソフトでもつけられるので、僕が今年山さんに出した年賀状にもついてますよ。
アレは機械で住所を読み取るだけのモノで、郵便番号と大差ありません。個々の識別に使っているワケじゃありませんからね。

じゃあどうやって郵便事故の確認をするかって?
う~ん、僕もそこまでは…。推測ですが、郵便物が投函された日時から担当者や回収車などについて、順を追って確認するんじゃないですか?人力で。
気が遠くなる作業でしょ?実際S氏も、郵便局に問い合わせた時に「確認に1ヶ月くらいかかるかもしれない」って言われたそうです。
このスピード化社会にありえないでしょ?試験終わっちゃいますよ。

そもそも、人から金取っておきながら「失くしたり壊しても責任持ちませんよ」っていう郵便局の態度もどうかと思いませんか?
たとえ個人的な手紙であっても、その人たちにとっては大切なモノでしょ?
ちょっとくらい料金が高くなってもいいから、すべての郵便物は補償されるのがスジだと思うんですけどねー。

これだからお役所は、って非難されるんですよまったく。
あ、そういえば民営化されたんでしたっけ?一般企業で同じこと言ってたら、信用なくしてソッコーで倒産しちゃいますよねー。


第一、資格取得っていうのは、場合によっては運命を左右しかねないですからね。
本来なら、返信用封筒は書留や配達証明郵便で郵送するようにしなければならないんですよ。その辺の指示も何もないこの団体も職務怠慢ですよねー。

それどころか、振込みがあって書類が届かなかった人がいても、確認を取ることすらしないそうですよ。
本人から問い合わせなかったら?そりゃ振り込まれた受験料はそのままその団体の懐に入るんじゃないですか?でもそれって詐欺ですよねー。
おまけに同じようなトラブルが少なくとも10件くらいはある、と担当者も認めているあたり、僕ら一般人との感覚がズレまくってますよ。
そこまで分かっていて何で確認取らないんでしょうか。
ソコの振込み確認もやっぱり人力のようですよ。


S氏の場合は、残念ながら問い合わせた時期が遅かったため、もし書類が見つかっても今回の受験はできないそうです。
そうなんですよ、事故であろうと特別措置も何もないみたいです。振り込んだ事実はあるし、振込み依頼者がS氏であることは履歴が残っているんだから、何とか対処のしようがあるとは僕も思うんですけど…。
唯一の救いは、受験料が返却されるってコトでしょうか?
ヤケ酒でぱーっと消えちゃいそうですけどねー。

余談ですけど、受験要綱に、書類提出期限を「○日消印有効」と載せておきながら、実は料金着払いの返信用封筒を使うと消印が押されないという罠もありまして。それを指摘すると「え、あ、えっとそれはポストに投函した日で…」と曖昧でビミョーな返答があったそうです。アフォですよねー。


あ、ちなみにこの団体も財団法人ですよ。
残業もないようですし、所詮はお役所仕事ってヤツですかねー。って僕らが言えた義理じゃないですけど。
文○省あたりから天下ってるんじゃないですか?

それにしても、この団体も郵便局も、どちらもコンピュータでしっかり管理されていないってトコロが共通してると思いませんか?
なんかお役所系のおじさんたちの仕事っぷりが目に浮かびますよねー。
ワープロや表計算ソフトどころかメールも満足に読めなくて、パソコン使う仕事はぜんぶ若い部下任せでー。



えっ、あ、いやそんな、山さんのことじゃありませんよ!
そりゃ確かに僕が山さんのメール代筆してますし、始末書のパソコン入力も僕がやってますけど…うわ落ち着いてくださいってばさすがに拳銃はヤバイですよ山さん!!

僕を殺したら、誰がアナタの始末書をパソコン入力するんですかぁっっっ!!!
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  by RX-Kei | 2006-03-23 01:31 | 小咄 | TOP▲

ググ探

それは、ある男の台詞から始まった。



『俺もブログやってるんで、探してみてください』





私の失言から、このブログを見事探し出した彼の台詞である。

ここで逃げたら私の中の漢が廃る。
その挑発、受けて立とうではないか。



仮にも私は、事故ニュース検索の速さから"鑑識"の称号を得たこともある人間だ。
(なぜ"探偵"や"刑事"ではないのかは不明だが)
仕事柄、日がな一日ネットで検索しているような事もあり、早々に決着は付くであろうと思われた。



しかし。
捜索開始から一週間が過ぎようとしているが、見つからない。

何故だ。


実はこの時点で、探し出せないのも無理はなかった。

何しろ、情報が少なすぎる。
与えられた情報は、利用しているブログサービスと、アフィリエイトをしているという事、CDのリリース情報を載せているという事のみ。あとは普段の会話の中から推測しろと言う。
しかもそのブログサービスは、サービスのトップページからブログ検索をする事ができないようだ。



無理むりムリ。
ゼッタイ無理。




何処かの国の昔の人じゃあるまいし、私の辞書にはちゃんと"不可能"という文字が載っているのだ。
(そんな落丁・乱丁がある辞書だったら、さっさと交換してもらえ)

何度か彼に泣きを入れたが、大した情報は得られない。
鬼ですかアンタは。


何度目かに泣きを入れた時、見つかるはずだけどなあ、と彼は自分の席に向き直って何やら検索を始めた。自分のブログを検索しているのだろう。
後ろから覗き込んでやろうかとも思ったが、やはりそれはフェアじゃない。
第一この距離では、私の視力では画面の文字が見えない。

まあこの分なら後で何か情報が貰えるだろうと、私も自分の席に向き直って仕事を始めようとした時。

『あれ?』

うしろから聞こえたのは、困惑したような声。
アンタひょっとして、自分のブログを検索できないんじゃあるまいな。
本人が検索できないものを、私にどうやって検索しろと?




"ア ン フ ェ ア な の は 誰 か ?"





『いや、(検索)できますよ、うん』

少しして、そんな声が聞こえた。どことなく安堵したように聞こえるのは私の気のせいだろうか。
そりゃ検索できなきゃ困る。私のここ一週間の苦労をどうしてくれるのだ、と向き直ると、彼は親切にも私の前で再度ググって見せた。

キーワードは『ブログサービス名、某アーティスト名(複数)、某演歌歌手名』



わ、分かるかそんなもんッッッ!!!



それでも数十件ヒットしている。結果をスクロール、次の結果へ。更にスクロールしたところで、『ほら、あった』
どれどれ、と覗き込もうとすると
『ホントはもっと前に見つかってるんですけどね。あえてスルーしました』

つまりそのキーワードをヒントに探し出せということか。
とても楽しそうな彼の笑顔。しかしその背には蝙蝠の羽が見え隠れしていた。



金曜日の夜、久々に女性陣と酒を酌み交わし、晴れやかな気分でPCを立ち上げた。

必要な情報はある。ヒントも得た。ここからが本当の勝負だ。
やはり、決戦は金曜日でなくてはならない。
そして私は、ググる探偵に変身する。


私がググる探偵、略してググ探となりはや一時間。

しかし、見つからない。キーワードの順番を入れ替えたり減らしたり、試行錯誤するがそれらしいものがヒットしない。
類似のブログを数件見つけるも、今まで得た情報と当てはまらない。
挙句、検索キーワードの上位ランキングだけを延々と垂れ流す(管理人のツッコミや日記などの個人情報は一切ない。何だコレ)何が面白いんだか理解不能なブログや、エロブログまでヒットされてしまい、些かうんざり。

しかし今日の私は一味違う。うまいものを食べ、ほんの少しとはいえ日本酒(一の蔵)が入っている。そして今、私の本来の活動時間である深夜。明日は休日、睡眠時間を気にして捜査を打ち切ることはない。

負けるわけにはいかない。私は侍である。



どれくらいの時間が経っただろうか。
途中フィギュアのエキシビジョンのために操作を中断したため、今は早朝。清少納言も"冬はつとめて"と愛でた時間帯である。夏ならばもうじき空が白んでくるだろう。
もはや彼のブログを直接ヒットすることは諦め、リンクされていないだろうかと他のサイトにまで捜索範囲を広げていた。


そうしてヒットされた中に、件のブログサービスの公式ページがあった。
同ブログ内の音楽系ブログランキングである。

そこでようやく思い当たった。いつかの彼の台詞だ。

『ブログランキングでも結構上位にいるんですよ。20~30番台くらい』

念のため10番台から紹介文を確認していく。



あった。

ブログの紹介文や日記の内容、これだ。間違いない。



ようやく見つけた。
彼は、鬼でも悪魔でもなく、仏様――いや、エンマ様だったようだ。

随分遠回りをしてしまった。




こうして、私のググる探偵、略してググ探としての捜査は幕を閉じた。
(深タン(深夜探偵)、飲みタンの方が良いかもしれない)

あとは挑戦状の送り主へ報告するのみである。
これがハードボイルド小説なら、探偵は夜明け間近の空を見上げながら一服するのがお約束だろうが、あいにく私は嫌煙家だ。
煙草の代わりに大きなあくびをひとつ。


とりあえず、報告はあとにしよう。
私は縮こまった身体を猫のように伸ばし、もうひとつあくびをしながらベッドへと向かった。
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  by RX-Kei | 2006-02-25 18:33 | 小咄 | TOP▲

 顔 -Nightmare-

ふと目が覚めると、そこは私の部屋ではなかった。


部屋の中は薄暗く、足元の方にある窓だけがぼんやりと明るい。
その事が却って闇を濃くしているようだった。

しばらくすると目が慣れてきて、私は畳の上に敷かれた布団に横たわっているのがわかった。
左手にも窓があるようだが、雨戸が閉まっているのかそこから明かりはもれてこない。


ああ、なんだ。
私が昔住んでいた家じゃないか。


よく見ると、窓の傍にある家具も見慣れたものである。
しかし、私は何でここで寝ているのだろう。
確か自分の――独り暮らしをしている部屋で寝ていた筈なのに。

その時、静かに襖が開き、誰かが部屋に入ってくるのが分かった。
『気が付いたの?』
母の声だ。
私は何か返事をしようと口を開いた。しかし、うまく声が出ない。
身体を起こそうとしたが、身体も動いてくれなかった。

『覚えてる?あなた倒れたのよ』
一時は危なかったんだから、そう言う母の顔は、部屋が暗くてよく見えない。
その声は静かで穏やかであり、どんな気持ちでいるのかは読み取れなかった。

しかしいきなり倒れた、と言われても納得できない。だって確かに自分は部屋で寝ていたのだから。
そう思いつつ、恐る恐る自分の頬に手をやり、愕然とした。


それはガサガサとしていた"皮"そのもので、肉感がまるでない。
目を見開いたままその手に目をやると、ミイラのように乾いて痩せ細っていた。


ひょっとして、自宅で倒れているところを発見されたのだろうか。
それともまったく別のところで倒れたのに、自分の記憶が飛んでいるだけなのだろうか。
どのくらいの時間が経っているのだろう、とまだうまく働かない頭で考えながら、母に身体を起こすのを手伝ってもらい、よろよろと壁伝いに居間へ向かった。


居間は明るく暖かだったが、ただ静かであった。
外からは、子供たちの遊ぶ声が微かに聞こえてくる。
そこに在る音は、ただそれだけだった。


母に肩を借りたまま、部屋の隅へ腰を下ろそうとした時。
左手にある鏡が、それに映る自分の姿が目に入った。



――頬や唇には赤みがなく、落ち窪んだ目がこちらを睨んでいる。
髑髏に土気色の皮が張り付いているような、死人のような顔――。



気づけば、私は悲鳴を上げていた。
声にならない声で。








そんな夢を見た。

時々、何の脈絡もなく悪夢を見る事がある。
今回のは久々に怖かったなあ。
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  by RX-Kei | 2006-02-19 22:55 | 小咄 | TOP▲

寒い夜だから…

かえりみち夜空から細雪が舞い落ちてきた。

ここは東京雪國ではない。
2月も半ばをすぎ、もうじき春一番が吹こうかというこの時期に、がちらつくのはめずらしい。


こういうのを『なごり雪』と言うのだろうか。


"東 京 で 見 る 雪 は こ れ が 最 後 ね"


などと寂しげにつぶやいてみたくなる。



時折吹きつける冷たい風粉雪を舞い上げ、夜空ノムコウへ帰ってゆく。

寒い夜だからホットミルクミルクティーでつめたい身体を温めよう。
猫舌で、本当はお熱いのがお嫌いな私。
でもこんな風の日にはそんな風にすごしたい


さあ、はやく家に帰ろう
しあわせが待っているから。






カラオケ行きたいなあ。

More…(何曲知ってますか?)
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  by RX-Kei | 2006-02-18 00:42 | 小咄 | TOP▲

月に吠える

憧れの人の曲を聴きながら、こんなふうに歌えたら、と思う。


歌が上手いと、褒められても意味がない。
私が望むものは、こんなものじゃない。

私はこんなふうに伝えたいのに。私はこんなふうに叫びたいのに。


だけど私は、彼のようには歌えない。
私は私であって、決して彼にはなれないから。


だから私は歌うのだ。

この声が届くまで。この叫びが届くまで。



この声が枯れるまで。




お月様には、決して手は届かないけれど。







文章を書くということは、そんな感情に似ていると思う。

満足のいく文章なんて、一度で良いから書いてみたいものだ。


ブログ文章術『ブログの自由と、われわれの不自由』(米光一成氏)
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  by RX-Kei | 2006-02-15 01:38 | 小咄 | TOP▲

待宵

夜、近所のスーパーへ買い物に行く。

立春を過ぎたとはいえ、まだまだ凍りつくように冷たい空気が頬を刺すようだ。
もこもこした格好でポケットに手を入れたまま、ふと空を見やると、お月さんも寒そうに丸まっている。
そのまま視線をずらすと、浅学な私でも知っている星――オリオン座と冬の大三角が視界に入った。


と。
その時、メガネがほんの少しずり落ちた。

元に戻すために手をポケットから出すのも煩わしく、まあいいか、とそのまま上目遣いでもう一度オリオン座を見やる。



――あれ?


オリオン座がない。



思わずポケットから手を出し、ずれたメガネを元に戻すと、オリオン座はそこにある。

さらにもう一度メガネをずらしてみると、――ない。



どうやら私は、裸眼では1等星より明るい星すら見えないらしい。
数十年生きてきて、今まで知らなかった。





見上げた月は、黄色いモヘアのセーターを着込んでいた。
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  by RX-Kei | 2006-02-13 01:25 | 小咄 | TOP▲

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